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INTRODUCTION

オスカーに輝いた『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカーが編集・製作に名を連ね、監督のツォウ・シーチンと共に脚本を手がけた『左利きの少女」。04年にベイカーと『テイクアウト」で共同監督を務め、以降はプロデューサーとして彼を支えてきたツォウ・シーチンが、満を持して単独監督デビューを飾った本作は、25年アカデミー賞®国際長編映画賞・台湾代表に選出され、同賞の最終候補15作品にリストイン。東京フィルメックスでは観客賞、ローマ国際映画祭では最高賞を受賞するなど、広く支持を集めた。
賑やかな喧騒と色彩豊かな都会の片隅で、厳しい現実と向き合う母娘の姿を幼いイージンの目線を中心に据えてエネルギッシュ且つ繊細に活写した本作は、人間の清濁を飲み込んだ家族ドラマとして共感を呼び、思いもよらないサプライズと感動をもたらす。ベイカーに強く勧めたことで「タンジェリン」が生まれたように、ツォウ監督はiPhoneを駆使して街の奥へと自在に入り込み、そこに息づく人々の日常を立ち上がらせる。古いしきたり、世代間のギャップ、”左利き”をモチーフとした制約・・・・・。パーソナルな物語に文化的・社会的背景を織り交ぜながら、自分らしさを肯定する、温もりの感じられる作品に昇華させた。

STORY

CAST

ニーナ・イエ
Nina Ye(イージン役)
2016年4月19日、台湾出身の子役俳優。3歳より活動をはじめ、台湾のCMなどで「見ない日はない」と言われるほどの売れっ子。本作出演時は6歳だった。母親が演技コーチをしている関係もあり、あまりに自然な演技で監督を驚嘆させたという。本作を通じて国際的な舞台に立ち、今後は台湾のドラマ・映画のみならず、より広いジャンルでの活躍が期待されている。
マー・シーユエン
Shih-Yuan Ma (イーアン役)
2000年、台湾出身。ミュージックビデオからキャリアをスタート。日本でも配信しているドラマ「此の時、この瞬間に」 (23)に端役で出演したが、『左利きの少女』が初の本格的な演技経験となる。ツォウ監督の目に留まったインスタグラムでイーアン役に大抜擢、いきなり金馬奨で新人俳優賞を獲得、ストックホルム国際映画祭で最優秀女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。ほかの出演作に「最初の花の香りシーズン2」(25)など。
ジャネル・ツァイ
Janel Tsai(シューフェン役)
1975年3月14日、台湾・台中市出身。19歳よりモデルとして活躍し、一世を風靡。03年にドラマ「明陽思海」に出演して女優に転身。数々のドラマや映画に引っ張りだこの、同世代を代表する演技派女優。映画『台北に舞う雪』(09)や『星空』(11)に出演。また、ドラマ「結婚って、幸せですか」(11)で初の金鐘賞・最優秀助演女優賞にノミネートされ、「CSIC TAIPEI科学捜査班シリーズ」(15/19)で金鐘奨・最優秀主演女優賞に連続ノミネートを果たす。他にも「半熟恋人」(12)、「振り向いたらそこに」(16)など数々のヒットドラマに出演。ドラマ「噬罪者」(19)で金鐘賞・最優秀助演女優賞を初受賞。ドラマ「暴走外科医がやってきた」(22)で金鐘賞・最優秀主演女優賞を受賞。同作で初のプロデューサーも務めた。

STAFF

ツォウ・シーチン
Shih-Ching Tsou(監督/脚本)
台湾・台北出身。輔仁大学卒業後に渡米、ニューヨークのThe New School(メディア研究修士)において映画編集を学ぶ過程でショーン・ベイカーと出会う。彼との共同監督作『テイクアウト』(04)を発表。以降は『タンジェリン』(15)、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)、『レッド・ロケット』(21)など、ベイカーの監督作をプロデューサーとして支える。『左利きの少女』がツォウ・シーチンの単独監督デビュー作品である。現在、ニューヨークを拠点に映画作りを行っている。
ショーン・ベイカー
Sean Baker(脚本/編集/製作)
1971年2月26日、アメリカ・ニュージャージー州サミット出身。『フォー・レター・ワーズ』(00)年で監督デビュー(脚本も)。全編をiPhoneで撮影した監督5作目の『タンジェリン』がサンダンス映画祭で上映され、注目を集める。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』がカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、絶賛を浴びる。同作はニューヨーク映画批評家協会賞・最優秀監督賞にノミネート。またウィレム・デフォーがアカデミー賞®助演男優賞にノミネートされ、ベイカーの名が世界にとどろく。『レッド・ロケット』(21)がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出。長編8作目の『ANORA アノーラ』(24)も同じくカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、パルム・ドール(最高賞)を受賞。さらにはアカデミー賞®で作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門での受賞を果たす。