Story ストーリー
ロンドンの路上で寝泊まりを続けるマイクの一日は、割と忙しい。
道ゆく人に小銭をせびる。開店前のレストランで携帯を充電する。公園の炊き出しに並ぶ。日が陰るとひとけのない場所に段ボールを並べ、その上にシートを敷いて体を横たえる・・・。こんな暮らしを5年以上も続けている。そんなある日、親切にしてくれた男性から衝動的に金品を強奪し、逮捕されてしまう。出所後は再起を誓うものの、順調にいきかけた暮しはふとした拍子に脆く崩れていく。
彼を待つのは破滅か、それとも・・・!?

ハリス・ディキンソンが描く、
ロンドンの”今”
初主演作『逆転のトライアングル』がいきなりカンヌでパルム・ドールを受賞、『ベイビーガール』でハリウッドスターの仲間入りを果たしたハリス・ディキンソンの初監督作品は、生活力なしモラルなしの“はみ出し者=Urchin(アーチン)”が、心底変わりたいと切望しながら、なぜか全力でクズを全うするアンビバレント・ムービー!
ハリスのロンドンでのホームレス支援活動が生かされた本作は、カンヌ国際映画祭<ある視点>部門で主演のフランク・ディレインが最優秀男優賞に輝き、国際映画批評家連盟賞とW受賞となった。その後世界の映画祭で快進撃を続けている。
善意や教訓を押し付けず“観察”に徹したハリスの眼差しは、ジレンマから抜け出せない人々の、どうしようもない!でも目が離せない!人生を、ふっと笑みの溢れるユーモアや荘厳なマジックリアリズムを創造性豊かに混ぜ合わせて描き出す。
悲哀と健気さをほとばしらせて突き進む主人公に心底圧倒される、前代未聞の負のスパイラル・オデッセイに刮目せよ。
ロンドンの路上で寝泊まりを続けるマイクの一日は、割と忙しい。
道ゆく人に小銭をせびる。開店前のレストランで携帯を充電する。公園の炊き出しに並ぶ。日が陰るとひとけのない場所に段ボールを並べ、その上にシートを敷いて体を横たえる・・・。こんな暮らしを5年以上も続けている。そんなある日、親切にしてくれた男性から衝動的に金品を強奪し、逮捕されてしまう。出所後は再起を誓うものの、順調にいきかけた暮しはふとした拍子に脆く崩れていく。
彼を待つのは破滅か、それとも・・・!?
Time Out ★★★★
ロンドンの社会の片隅を描いた、衝撃的な監督デビュー作。社会派映画の系譜に連なりながらも、ハリス・ディキンソン自身の視点を確立している。観客を安心させたかと思えば、不意に強烈な一撃を食らわせる作品。
DAILY TELEGRAPH ★★★★
社会問題を告発することよりも、一人の青年の複雑な内面に焦点を当てることに成功している。社会派映画に新たな感性を吹き込む、ハリス・ディキンソンの鮮烈な監督デビュー。
THE TIMES ★★★★
ホームレスを"社会問題"としてではなく、一人の人間の人生として描いた。主人公を善人にも悪人にも単純化せず、人間の矛盾や弱さを丁寧に見つめている。初監督作とは思えない完成度。
THE GUARDIAN ★★★★★
ピーター・ブラッドショー評
主人公のユーモア、幻想性、痛みが共存し、一面的に裁かず、安易ないかなる種類の答えも提示しない。フランク・ディレインは"危険さ"と"傷つきやすさ"を同時に体現し、作品に圧倒的な説得力を与えている。
DEADLINE
ハリス・ディキンソンの、主人公の感情を観客に体感させる手腕!フランク・ディレインの演技は、本作の成功を支える最大の要素。
The Wrap
カンヌで最も心を揺さぶられた一本。終盤では思わず涙が込み上げた。フランク・ディレインは映画祭屈指の名演を見せている。
RogerEbert.com
現代社会に存在する"共感の欠如"を真正面から描きながら、決して説教臭くならず、登場人物に深い人間性を与えている。
Vanity Fair
俳優が監督を務める作品にありがちな自己満足を超え、ホームレスと依存症を思慮深く、思いやりを持って描いた。新たな才能の誕生を感じさせる。
Rotten Tomatoes
96% Fresh!

監督・脚本
ハリス・ディキンソン
Harris Dickinson
COMMENT
地元で暮らす一人の若者に焦点あてた物語を描きたいという思いがありました。核にあるのは、“繰り返される行動の連鎖”です。人はなぜ同じ過ちや選択を繰り返すのか。私は長い期間を費やし、保護観察制度や精神保健の専門家、刑務所改革に携わる人々から助言を受けながら検証を重ね、ようやく納得のいく脚本を完成させることができました。 私が目指したのは、社会問題を描きながらも、一人の人間にしっかりと寄り添った物語です。さらに何かしらのユーモアを盛り込みたいと考えました。大きな悲劇には笑いと軽やかさが共存しているものですしね。観客が主人公の旅路を追体験でき、彼とともに笑い、彼とともにつまずき、そして転落する感覚を味わって貰えたらと願っています。
BIOGRAPHY
イングランド出身。幼少期より演技と映画制作に関心を持ち、ロンドンの演劇アカデミーで演技を学び、ロンドン音楽演劇アカデミー(LAMDA)のプログラムに参加。16歳のときには映画制作のために自治体の助成金を獲得し、短編『2003』を初監督。同作は2021年に BFIロンドン映画祭でプレミア上映された。初の長編作品『URCHIN/アーチン』は、第78回カンヌ国際映画祭で新人監督賞ノミネートされた他<ある視点>部門で最優秀男優賞、国際映画批評家連盟賞をW受賞という快挙となった。いまも世界中の映画祭で快進撃を続けている。
俳優としては、2017年、エリザ・ヒットマン監督の『ブルックリンの片隅で』の主演でスクリーンデビューを果たす。2018年にダニー・ボイル制作のTVドラマ「TRUST トラスト ゲティ家のスキャンダル」、2019年にグザビエ・ドラン監督作『マティアス&マキシム』、ディズニー映画『マレフィセント2』へ参加。
2022年には、リューベン・オストルンド監督によるパルム・ドール受賞作『逆転のトライアングル』に主演。同作はアカデミー賞作品賞および英国アカデミー賞でライジングスター賞などにノミネートされた。近年では、ハリナ・ライン監督の『ベイビーガール』に出演し、ニコール・キッドマンと共演。同作はヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、高い評価を受けた。

フランク・ディレイン
Frank Dillane
COMMENT
人は誰もが何かに依存して生きています。寒いときはウイスキーが体を温めてくれるし、悲しいときは身近な人に寄り添ってもらう。ならば、マイクのようにすべてを剥ぎ取られた人間は、何にすがっているのか。もっと言うと、どんな“支え”に依存しているのか。そこが本作の鍵なのだと思います。
BIOGRAPHY
イギリス出身。フランク・ディレインは幼少期から俳優として活動を始め、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でヴォルデモードの高校時代を演じるなど、在学中に早くからキャリアを築いた。その後、王立演劇学校(RADA)に進学し、卒業後すぐにロン・ハワード監督作『白鯨との闘い』でワーナー・ブラザース作品への出演を果たす。その後テレビシリーズ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」で主演を務め、同作はケーブルテレビ史上最大規模のプレミアを記録した。
以降もApple TV+の「エセックスの蛇」(クレア・デインズ、トム・ヒドルストン共演)、ビーニー・フェルドスタインと共演した『ビルド・ア・ガール』などに出演。近年では、サリー・ウェインライト監督の「反逆のネル」(Disney+)、ITVのリミテッドシリーズ「Joan」(ソフィー・ターナー共演)、そしてヴェネチア国際映画祭でコンペティション部門に出品された『Harvest』など幅広い作品に出演し、英国を代表する若手俳優の一人として確固たる評価を得ている。

メーガン・ノーサム
Megan Northam
BIOGRAPHY
フランス人の母とイギリス人の父の間に生まれる。ナント・オペラ座の舞台美術家である父親のもと、6歳からチェロを学ぶ。レンヌ大学で舞台芸術を学んだ後、音楽や演技の道に進むため中退してパリへ移住。2022年ベルリン国際映画祭に出品されたミカエル・アース監督作『午前4時にパリの夜は明ける』に出演。その後、カンヌ国際映画祭出品作品『Fifi』にも参加した。
2023年にはフランスのリールで開催される欧州最大級の国際テレビシリーズ・映像作品フェスティバル「シリーズ・マニア賞」にてブレイクスルー女優賞を受賞。2024年にはジェレミー・クラパン監督の『Meanwhile on Earth』、マレイケ・エンゲルハルト監督のスリラー『Rabia』で2025年セザール賞「最優秀新人女優賞」にノミネートされるなど、着実に評価を高めている。今後はフレッド・カヴァイエ監督がヴィクトル・ユゴーの名作を映画化した『レ・ミゼラブル』のコゼット役が控えている。